ご挨拶

代表取締役 沖倉喜彦からのご挨拶

有限会社 沖倉製材所は、あきる野を拠点に地元の山の木を製材する工場として、昭和25年に創業致しました。

創業者である父『沖倉喜代治』は、養沢の炭焼きの家に生まれ幼少から製材の仕事を志し、山仕事を足がかりに周囲の方々の御支援と御協力を頂きながら、強い志の元製材所を創業致しました。以来、地域の材を活かし、地域の人を雇用し、地域の大工や工務店などと連携し、関係する人たちとの信頼を培いながら、ものづくりを継続して参りました。

現在も、地元出身の20代から80代までの社員が日々、木を尊ぶ心を持ち、黙々と仕事に取り組んでおります。

近年、多摩地域の林業も山もたくさんの課題を抱えています。私は、自然と人が調和して生きられる未来のためには、『林業と山々の再生』が不可欠であると考えます。そして常に、『製材所として我々に何ができるのか』を課題とし、事業を展開し、90年代後半からは、一本でも多くの多摩産材を世に送り出すことを使命として、木の家づくりを得意とする優良工務店と連携しながら、木の「地産地消」に取り組んで参りました。

戦後、 日本全国で大量のスギとヒノキが植林され、現在それらの木々が伐期を迎えています。多摩地域にもたくさんの良材が伐られる時を待っています。しかし、原木、木材価格の低迷により適正価格がつかずに山の木は放置され、山の荒廃が刻々と進んでいます。

私たちが今できる最善策は、伐期を迎えた人工林の木を使うことです。とりわけ人口が多く需要も大きい東京で近場の多摩産材を使うことは、地元の資源を最大限に活かし運搬にかかるエネルギーやCO2排出を削減し、地球環境への負荷を低減できるという意味で、大きな貢献になるのです。

沖倉製材所では、東京の木・多摩産材により付加価値を付け、無垢材の家づくりの推進をはじめ、無垢板の一枚板テーブルやカウンターなどの販売にも力を入れています。

更に一般の方々にも門戸を開き、工場見学を開催し、開かれた製材所を目指しています。これまでもより多くの皆様に、山と木の問題への関心を高めて頂けるよう、解決に向けてアクションを起こすワークショップや小学校の社会科見学、林野庁の地域材製材の研修や JICAの研修なども積極的に受け入れてまいりました。

これからも、東京唯一の多摩産材認識協議会監事工場として、製材の仕事の素晴らしさやものづくりの楽しさを通し、地域材 多摩産材を使うことの意義を広く皆様にお伝えし続けることに邁進してまいります。

代表取締役 沖倉喜彦